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エンジェル・イヤーズ・ストーリー [キャラメルボックス]

演劇集団キャラメルボックスの新作「エンジェル・イヤーズ・ストーリー」。
神戸公演初日。観劇に行ってまいりました!

今まで、キャラメルボックスのお芝居は30本くらい観てきましたが、
その中で、一番、「2時間があっという間」でした。
ずっとのめりこんで見てました。おもしろかったです。

以下、観劇の妨げにならない程度のネタバレが含まれます。
気になさる方は、ご注意ください。

 ある日突然、他人の「心の中の声」が聞こえるようになってしまったお父さん。
 家族までが、心の中で、父のことをよく思っていないようだ。
 幸せな家族と思っていたのに…愕然とするお父さん。
 しかし、それと同時に知ってしまった、子どもを巻き込むある事実。
 お父さんは走り出す。

役者さんが、その役以外で、
舞台上でさまざまな役割を果たす作品は、今までもありました。
でもそれは、あくまで、「スマートに」「カッコよく」だったと思います。

今回は、スマートどころか、もう、大忙し。
それが、驚きでもあり、おもしろくもあり。

主役の西川さんはもちろん、セリフも多くて大変そうなんですが、
他のみなさんの活躍、奮闘ぶりは、目が離せませんでした。
特に、細見さん!
細見さんを追いかけるだけでも2時間あっという間でしょう。

観劇直後は、ストーリーより、
役者さんの動きの方が印象に残ってる、妙な感覚。
でも、思い出してみれば、物語も、先が気になる展開で。
原作の小説も、どんどん引き込まれて一気に読みましたし。

チラシのイメージとは違って、
ざらざらとした肌触りや、苦味もありましたが、
観終わってからチラシを観ると、「ああ!」って胸にくるものがあります。

娘がお父さんに投げかける気持ちは、辛らつでした。
「観劇後も、この気持ちが後味として残ったら嫌だなぁ」って、
その時は思いました。

でも、そんなことはありませんでした。
それを別の温かいものでかき消された、というよりは、
それを乗り越えた先に行けた、という感じ。

このタイミングでこのお芝居を観られてよかった、と思います。

今、とにかく、早くもう1度観たいです。
でも、このお芝居は、これからどんどん変わっていくと思います。
もっと先の公演も観てみたい。
行ける回数は限られているので、悩ましいです。

演劇集団キャラメルボックス2009クリスマスツアー
「エンジェル・イヤーズ・ストーリー」
神戸公演は11月22日(日)まで。
東京公演は11月28日(土)~12月25日(金)

詳細はhttp://www.caramelbox.com/

…というところで、ネタバレしない程度の文章は終わりです。
でも、これでは中途半端なので、この先はネタバレしながら書こうと思います。

 

相手にぶつける声だって、心の中の声だって、
相手を嫌うような言葉が、本音だとは限らないんですよね。
自分でも、どれが本音かわからなかったりします。
心の中で悪態をつくのは、希望や期待があるから、という場合もあります。

最近まさに、こういうことを考えさせられる機会がありまして。
もやもやと考えていたことが、観劇したことで、はっきりとしてきました。

「とにかく、伝えて、相手の出す本当の声を受け取ろう。
気持ちを通わすのを諦めないで。」
そういうメッセージがつまっている気がしました。

父がラストで娘に贈る「諦めるな」という言葉もそうですし、
「もう1つの家族の姿」もそうです。

このメッセージは、最初に書いた、
このお芝居の大忙しな役者さんにもつながります。
とにかく、一生懸命に、お客さんに伝える、その姿に。

自分に対するきつい言葉が耳に入ると、
それに動揺してしまいますが、
今回このお芝居を観たことで、改めて、
そんな時どうするかを考えてみたりしています。

ラストシーンは、印象的でした。
それぞれが、それぞれの場所で祝う、それぞれのクリスマス。
みんなで一緒、というわけではないし、一見、昨年までと同じ光景だけど、
それはやっぱりとても大切な時間で、昨年までとは何かが違ってて、
そしてこれから何かが始まる。
それを象徴するような、包み込むような優しい光。
言葉じゃなく、わぁ!って、心が温かくなりました。

観ている途中は、「お父さんのがんばりを見て、家族がお父さんを見直す」
という展開を予想していたのですが、そうではなくて、
形は違えどやっぱり今までだって「想い」はそこにあった、というのがよかったです。
ただ、伝えていなかったり、自分でもその気持ちに気づいてなかったりしただけで。

2時間のお芝居の中では、登場人物に、大きな変化はないかもしれません。
でも、それぞれが、相手の自分への想い、自分の相手への想いを、再確認します。
クリスマスは、そういう機会でもあるなぁ…と思います。 

僕自身も、たった2時間では変わりませんが、
ここから1歩進むことはできる、と、思いました。 

あとは、父と子どもたちの話…。
父は「無関心ではなかった」と言うが、子どもたちはそうは思っていなかった…。
これ、ほんと、他人事じゃなくて。

僕自身、10代の中頃は、自分への関心がどんどん薄れてて。
他人への関心ばかりだったと思うのです。
でも、それでは全く前に進めず、20代になってから、
自分へ、自分へ…って、がんばって目線を移してきました。
その結果、周囲に自分から声をかけることが極端に減ってしまって。

周囲に無関心なわけではないんです。
ただ、「今は周囲より、自分が前に進まなきゃ」という焦りばかりが大きくて。

改めて、周囲の人との関係について、考えてみるきっかけになりました。

今回の観劇では、
登場人物の必死さ、一生懸命さに胸を打たれたなぁ…と思います。
でも、公演を重ねていくと、それだけじゃない寂しさや悲しさも、
たぶん、今後、より深くなっていく予感がします。
「心の声」という表現方法が、そういう風にできていると思うのです。
そうすることで、より、希望や幸せの形が、浮き上がってくるのではないでしょうか。

今観ることで十分「おもしろい」と思いますが、
これから、たくさんのお客さんと一緒に、ステージを重ねることで、
もっともっと心揺さぶられるようになりますよ、きっと。


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